電力未来物語

大きく変わる暮らしの電気

オフグリッドシステム
電力の自立や自然エネルギーに対する関心の高まりを受けて、住宅用太陽光発電システムやオフグリッド・システムが注目を集めています。すでに自宅に太陽光発電システムを取り入れているという方も多いのではないでしょうか。一方のオフグリッド・システムとは、電力会社の送電網(グリッド)に繋がっていない(オフ)電力システムのこと。これが近年、個人宅でも実践されるようになってきました。

現在主流のオフグリッド・システムは、主に太陽光発電によって電力を賄うものです。必要電力に応じてソーラーパネルのサイズや枚数、蓄電池の容量などを決め、設置・配線して利用するのです。ただし送電網には繋がないので、従来の太陽光発電のように売電はできません。独立した電源なので電気料金はかからず、災害などに強いのが特徴です。

このように住宅用太陽光発電システムやオフグリッド・システムが一般家庭にまで浸透し始めているのには、家庭用蓄電池の普及が進んでいることが理由のひとつに挙げられるでしょう。

米電気自動車メーカーのテスラモーターズは「パワーウォール」と呼ばれる家庭用蓄電池を発売しました。設置業者向け販売価格で10kWhモデルが3500ドル、7kWhで3000ドルです。これは現在市販されている一般的な蓄電池の半額以下の価格設定です。このため、予約注文だけで、2016年度製造分まで売り切れとなるほどの人気で、他の蓄電池メーカーもテスラに追随しようと、低価格で設置が容易なモデルを次々に発表しています。

家庭用蓄電池が普及すれば、夜間に蓄電し昼間に利用することでピーク時の電力使用を避けるなどの省エネ対策、災害・停電時などのセーフティネットとして機能することも見込めます。また、発展途上国では携帯電話の普及が急速に進んでいますが、電力インフラの整備が追いついていないのが現状です。そこでソーラーパネルと蓄電池によるオフグリッド・システムを活用すれば、課題解決に繋がるのではないかとの見方もあります。

今後、太陽光発電だけでなく、水力や風力、地熱、バイオマスなど、さまざまな自然エネルギーの利活用が進み、低価格帯の蓄電池が増えて性能が上がっていけば、暮らしにおける電力供給の可能性はますます広がっていくかもしれません。

2016.02.29