電力未来物語

電気によって音響が変わる

音楽や映画が好きな方の中には、より良い音を求めて、音響機材にこだわっている方も多いのではないかと思います。もちろんそれも大切ですが、じつは音を出すための「電気」にこだわることでも、音質を向上させることができるのはご存知でしょうか。それが「太陽光発電を使った独立型音響システム」です。

日本の電気は、遠くの発電所で発電し、送電線を使って運ばれ、変電所で電圧を下げたり、直流から交流に変換したりといった煩雑な過程を経て、ようやく利用することができるようになります。ところが、この長い過程の中で、電気にはさまざまな“ノイズ”が混じってしまうことがわかっています。そのため、どうしてもノイズの影響が出て音質が劣化してしまうのです。

近年、環境の観点からだけでなく、音質の観点からも注目され始めている「太陽光発電を使った独立型音響システム」は、文字どおり、太陽光発電で生まれた電力を利用した音響システムのことです。


ポイントは、独立電源から直接、音響機材に電力を供給することです。独立電源ならば、ソーラーパネルで発電した電力を交流に変換することなく、直流のまま利用することができます。すると変換や送電時に入ってしまうノイズの心配がなく、低音から高音まですっきりとクリアで、輪郭のあるきれいな音が出せるのです。素人が聴いてもはっきりわかるほど、違いは歴然。その音の良さに、体験した誰もが驚きます。

音響機材は音を出すための装置ですが、電気はまさに音そのものをつくるための素材。電気をより良いものにすることで、当然、音も変わっていくということなのです。


大規模なシステムは、すでに音楽イベントなどでも利用されています。パネル1〜2枚程度の小さな電源システムならば、家に設置して日常的に高品位な音を楽しむこともできるでしょう。送電ロスがないため環境負荷が少なく、省エネにも繋がるうえ、災害時には、緊急の電力源として利用することも可能です。

音にこだわるなら、機材だけではなく、電気にもこだわる。“音質が良くなるから”という今までにはなかったポジティブな理由で自然エネルギーを利用したり、オフグリッドシステムを採用する時代が、すぐそこまできています。

2015.02.05